|
|
イタリアワインの魅力
イタリアは、ローマ時代からの長いワイン造りの歴史を持ち、フランスと並んで、質、量ともに世界の頂点に立つワ
イン大国です。
また、南北に長く変化に富んだ気候風土を持つばかりか、19世紀まで近代国家として統一されなかったため、各
地方の独立の意識が高く、文化的にも独自のものを持っています。
それは食文化にも顕著であり、
『イタリアにはイタリア料理はなく、各地方の料理があるだけだ。』
とよく言われますが、ワインもまた然り、です。
それぞれにその土地ならではのワインが存在します。20全ての州でワイン造りが行われ、さらにはその中にも幾
つもの小さな地域があり、それぞれに個性豊かなワインが造られています。その土地との強い結び付き、他に類を
見ない多様性こそがイタリアワインの大きな特徴といえます。
イタリアにいるとひしひしと感じるのは、そこがイタリアではなく、フィレンツェはフィレンツェであり、ローマはローマ
なのだということです。
フィレンツェのトラットリアでは、ただ「ワイン」と注文すればキャンティが出てきます。
スーペルメルカートでは、ミネラルウォーターとビールと清涼飲料水の売り場を合わせたよりずっと広いワイン売り
場のほとんどが、フィレンツェのあるトスカーナ州のワインで埋めつくされています。
一本のワインの向こうにその土地が、人々の生活が見える。そんなところもイタリアワインの大きな魅力かも知れ
ません。
|
|
|